かの魯山人が、世の中でまずいものは「料理屋の料理と書家の書だ」と言われていたようですが、
陶芸家の器も同じように思う時があります。デザイン重視で、見るからに使いづらそうな器が、
作者名によってもてはやされることが多々ある様な気がします。
 たしかに、観て楽しむ器もいいとは思いますが、 料理を盛ることでお互いがよりよく味わえる器を
作っていきたいと想っていたところへ、 料理人 千貫家康之さんからコラボレーションの話を頂きました。
 そこで「料理と器のハーモニー」と題し、鱧しゃぶをメインにした割烹会席料理と器を味わう会を、
去る9月12日(日)、美味処 千貫家(名古屋市名東区一社)にて、開催しました。



今回の「料理と器のハーモニー」の献立です。
口取
 秋刀魚山椒煮

   とても軟らかく煮てありました。
   炭酸を入れて生から煮るそうです。


 織部六角小鉢 14×14×4.5cm
お造り
 鱧落とし 鮪 秋刀魚


  青磁浅鉢 φ20×4cm
  青磁のぞき皿 φ7.5×1.5cm
焼物
 いわし味噌焼 はも寿し こしあぶら 生姜


  伊羅保焼き物皿 32×20×3cm

  伊羅保銘々皿 13.5×13.5×2cm

  織部焼き物皿 32×20×3cm

    表面の模様は、実はタオルを使って
   付けたものです。
ここで、メインの鱧しゃぶの前に、参加者に持ち帰って頂く小鍋を使った簡単な料理、
「変わり豆腐ステーキ」を、千貫家康之さんに実演して頂きました。
材料(1人分)

 絹ごし豆腐
 鶏肉
 椎茸
 青ねぎ
 玉子
 マヨネーズ
 天つゆ
 片栗粉
  他に、油、塩、コショウ、醤油
作り方

1.鶏肉は細かく切り、青ねぎは小口切りにします。
  椎茸は薄くスライスします。

2.フライパンに油を引いて最初に鶏肉を入れ、
  塩、コショウをして火が通ったら野菜を入れて、
  さっと炒め、冷ましておきます。

3.ボールに豆腐を入れて、荒めにホイッパーで
  つぶして、溶き玉子をつなぎ程度に合わせます。
  醤油とマヨネーズを適度に入れて味を調えます。
4.3のところに2の材料を入れて混ぜ合わせます。

5.器に盛って、オーブントースターで
  10分ぐらい焼きます。 

6.天つゆを3倍にのばし温め、
  片栗粉でとろみをつけます。

7.焼きあがったところに、6をかけます。
   焼きあがりを待ちながら、メインの鱧しゃぶを。
  鍋物
 はもしゃぶ 松茸 水菜 生麩


  青磁浅鉢 φ20×4cm
  鍋物の付けダレは、梅を使ったポン酢ダレ。


  黒織部小鉢 φ10×4.5cm
 
  黒織部小鍋 φ15×4.5cm

  この器は、参加者に持ち帰って頂きました。
   松茸と生麩を先に入れて、程よく味が
出たところで、はもしゃぶを頂きました。
   変わり豆腐ステーキが焼きあがりました。
   つゆをかけて完成。
  揚物
 かにクリームコロッケ 薬味
               (きゅうり、銀杏、アピオス)

      アピオスは、栄養価の高い、
     最近注目の食材だそうです。


   今回のコラボレーションの仕掛人、
  宮尾さん作の織部角皿です。 
  酢物変
 はもシューマイ


  織部小皿(台皿) φ18×3cm
  青磁のぞき皿 φ7.5×1.5cm 
 
  瀬戸唐津小皿(台皿) φ18×3cm
   
  食事
 はもしゃぶの煮汁を使った雑炊

器は千貫家さん所有のものです。 
  水菓子
 二十世紀梨 メロン


  織部銘々皿 13.5×13.5×2cm
 
   千貫家康之さんと共にパチリ。

料理人 千貫家康之さんのプロフィール

  料理人暦24年。
  名東区一社に割烹料理店「美味処 千貫家」を開いて11年。
  鱧料理を得意として、名古屋では珍しい鱧の刺身が味わえる。